#37「LEXUS TEAM KeePer TOM’S RC F」シリーズ2位! SUPER GT 2014 総集編
 

塗装が施される前のRC F


スーパーGT2014シリーズのGT500クラスは、参戦車両の技術規定が変更となり、「車体」「エンジン」共に新しい形でのスタートとなった。
われらが「LEXUS TEAM KeePer TOM’S」の37号車も「LEXUS RC F」をベース車両として2014年スーパーGT仕様にチューンナップされた。
ドライバーは2013年と同様、伊藤大輔選手とアンドレア・カルダレッリ選手のペアにステアリングを託す。
 

 

第1戦 岡山大会 4月5~6日 岡山国際サーキット
雨の試練に耐え、初戦を優勝で飾る!!

観客数27,000名(5日9,000名、6日18,000名)
 

新シャーシー、新エンジンによる新時代の幕開けとなった岡山大会の予選Q1において、伊藤大輔選手がコースレコードを塗り替えるタイムを叩き出してトップに立ったのです。
Q2を担当したアンドレア・カルダレッリ選手はタイヤを温めることに失敗したものの、5番手から決勝レースをスタートすることとなりました。

6日の午前中は開幕に相応しい青空が広がっていました。しかし、スタートが近づいてくると空を雲が覆い始めます。午後2時、フォーメーションラップが始まり、2時8分になろうとする1秒前に新時代のスーパーGTはスタートを切りました。スタートドライバーはアンドレア・カルダレッリ選手。
好スタートを切った「KeePer TOM’S RC F」は早々に順位を5番手から3番手まで上げていきます。しかし、新時代の幕開けとなるスーパーGTに神は試練を与えます。
雨が降り出してきたのです。無情にも路面を濡らしていきます。「KeePer TOM’S RC F」が装着しているタイヤはスリックタイヤ(排水用の溝のないタイヤ)での走行です。レインタイヤ(排水用に溝が彫られている)に交換するチームもありますが「KeePer TOM’S RC F」は雨の試練に耐え、35周目まで粘ります。試練に耐えた37号車に神は負けたのか雨は上がります。アンドレア・カルダレッリ選手はピットに飛び込み、規定となる伊藤大輔選手にドライビングをチェンジすると、タイヤ交換と給油を済ませコースに戻ります。そのときの順位は2位まで登り詰めていました。前を走るのは同じLEXUS勢の6号車が立ちはだかっています。
レース終盤まで6号車との接線は続き、手に汗握る思いで見つめていると、とうとう6号車を捕らえることに成功、そのままチェッカーを受けます。37号車は新時代のスーパーGT開幕戦を制しLEXUS RC Fのデビューウインを果たすという「KeePer TOM’S RC F」の名を歴史に刻んだのです。

第2戦 富士大会 5月3~4日 富士スピードウェイ
40Kgものハンディキャップを搭載し、決死の走行!

観客数89,400名(3日32,200名、4日57,200名)
 

ゴールデンウィークの中日、スーパーGT第2戦が静岡県小山町の富士スピードウェイで開催されました。
スーパーGTは優勝車の独占を避けるため、上位入賞車に対してハンディキャップウエイトを搭載する規則となっています。獲得したシリーズ得点は累積され、累積ポイント1に対して2Kgのハンディウエイトを積載しなければなりません。
開幕戦を制した37号車「KeePer TOM’S RC F」は開幕戦で20ポイントのシリーズ得点を獲得しています。規定により40kgものハンディキャップウエイトが搭載されているわけです。それでも予選のQ1は伊藤大輔選手の頑張りでQ2に進みます。Q2はアンドレア・カルダレッリ選手が担当しますが、何と電気系のトラブルに見舞われてしまい8番手となってしまいました。
5月4日、富士の空は青く大きく広がり、富士の霊峰を背景に500kmレースは午後2時5分にスタートが切られました。燃料量からすると途中2回の給油が必要となります。そのことから伊藤→カルダレッリ→伊藤という順でのドライビングを組み立てます。この一人が運転する区間を「スティント」と呼びますが、第1スティントで伊藤大輔選手は3位でアンドレア・カルダレッリ選手にステアリングを託します。アンドレア・カルダレッリは順位をキープしたまま最終スティントの伊藤大輔選手にバトンタッチ。コースに復帰したときは6位でしたが1台をパスして5位でチェッカーを受けます。これでシリーズ得点を6ポイント加え、第3戦は52kgのハンディキャップウエイトを積むことになります。

 

第3戦 大分大会 5月31~6月1日 オートポリス
ハンディキャップを背負いつつ、 LEXUS勢トップでゴール!

観客数38,200名(5/31日13,800名、6/1日24,400名)
 

52kgのハンディキャップウエイトとなった37号車「KeePer TOM’S RC F」は規定により、50kgの重さを施した場合に相当する燃料流量リストリクターの径を絞ることで、エンジンの出力が抑えられた他、2kgのウエイトを積んでの出場となります。エンジン出力が抑えられるということはアクセルを踏んでもスピードが得られないことを意味します。これはレーシングカーにとって致命的なハンディキャップとなります。しかしながらQ1を担当した伊藤大輔選手は3番手でQ2のアンドレア・カルダレッリ選手にバトンを繋ぎます。
37号車「KeePer TOM’S RC F」は5番手から決勝レースをスタートすることとなりました。
6月に暦を新ためた決勝日、午後2時3分にスタートが切られました。スタートドライバーはアンドレア・カルダレッリ選手。レースは淡々と進み、伊藤大輔選手に替った後、僚友である36号車「PETRONAS TOM’S RC F」と接戦を繰り返しながらも4位でチェッカーを受けました。表彰台はGT-R勢に独占はされたもののハンディキャップを背負いながらもLEXUS勢トップでゴールし、シリーズ得点を34ポイントまで伸ばしました

第4戦 宮城大会 7月19~20日 スポーツランドSUGO
雨に翻弄されるも、粘りの走行でポイントリーダーに返り咲き!

観客数37,000名(19日9,000名、20日28,000名)
 

ハンディキャップウエイト68kg(50Kgの錘相当分の燃料流量リストリクター径の調整+18kgの錘)で臨んだ第4戦の宮城大会。
19日はあいにく雨交じりの霧が深く立ち込め、公式練習走行はできたものの予選は翌日に延期となりました。
20日、25分間だけの予選では伊藤大輔選手がステアリングを握り5番手ポジションを獲得します。
同日午後2時7分、今にも降り出しそうな雲行きを眺めつつ第4戦はスタートが切られます。と同時に、雨が降り出しては路面を見る間に濡らしていきます。
「このままスリックタイヤでコースに留まるべきか、ピットに入れてスリックタイヤからレインタイヤに替えるべきか」
全チーム、上を下への大騒ぎ。スタートして1周した時点で次々にタイヤ交換のためピットにマシンがピットロードに殺到します。“日本一ピットロードの狭いサーキット”はタイヤ交換のために戻るマシンでごった返します。
しかし、37号車「KeePer TOM’S RC F」はスリックタイヤのままコース上を走り続けます。コース上に復帰した「レインタイヤ」組のマシンとコース上に留まった「スリックタイヤ」組のマシンの周回に要する時間は拮抗しています。やや「レインタイヤ」組のマシンが“速い”と思ったのも束の間、空からの雨が止み始めました。今度は「スリックタイヤ」組のタイムが勝っています。38周目、37号車「KeePer TOM’S RC F」はスリックタイヤで走行のままアンドレア・カルダレッリ選手から伊藤大輔選手にバトンタッチ。伊藤大輔選手も新しいスリックタイヤに替えてコースに復帰します。開幕戦の試練とは違い、今回のレースは雨が振ったり止んだりの嫌な天気です。それでも伊藤大輔選手は踏ん張り、見事2位でチェッカーを受け、シリーズ得点を15ポイント重ね49ポイントとしてポイントリーダーに返り咲きます。

 

第5戦 富士大会 8月9~10日 富士スピードウェイ
ハンディの重さにノックアウト、ポイントリーダーの座は譲らず

観客数45,000名(9日18,500名、10日26,500名)
 

ハンディキャップウエイト98kg(50Kgの錘相当分の燃料流量リストリクター径の調整+48kgの錘)はさすがにLEXUS RC Fの持つポテンシャルを抑えつけてしまいます。“日本一長い直線コース(1.8km)を持つサーキット”でも明らかに直線スピードの違いが分るほどアクセルを踏んでも、踏んでもスピードは上がりません。
37号車「KeePer TOM’S RC F」は結局、予選Q1でノックアウト。決勝レースは14番手からのスタートを強いられることとなりました。
10日は終日、雨に見舞われました。午後3時、雨量が多いためセーフティカーに先導されてのスタート。スタートドライバーはアンドレア・カルダレッリ選手。徐々に順位は上げていくものの、雨が激しくなったために途中でセーフティカーが入り、順位の大きな変動はありません。伊藤大輔選手は12位でバトンを受けると順位を9位まで上げるもののそれ以上には至りません。結局9位でチェッカーを受け、2ポイントを加えてシリーズ得点51ポイントとしてポイントリーダーの座は譲りませんでした。

 

第6戦 鈴鹿大会 8月30~31日 鈴鹿サーキット
ハンディと長距離、ペナルティに苦戦

観客数61,000名(30日25,000名、31日36,000名)
 

このレースはシリーズで最も長い1000kmという距離で争われます。その分、ポイントも多いことから、このレースはシリーズにとって“天王山の戦い”といえます。
ハンディキャップウエイトは規則最大の100kg(50Kgの錘相当分の燃料流量リストリクター径の調整+50kgの錘)となるために容易にQ2進出とはならず、予選13番手と苦戦。
長い距離であることからピットイン回数も4回となり、伊藤→カルダレッリ→伊藤→カルダレッリの順でドライブする作戦で臨むこととなりました。
31日12時24分、長い、長い1000kmのスタートが切られました。
徐々に順位は上げつつも3スティント目にGT300クラスと接触してしまった37号車「KeePer TOM’S RC F」は痛恨のドライブスルーペナルティを受けてしまうが、再び順位を盛り返して7位でチェッカーを受けました。7ポイントを加算してシリーズ得点は58ポイントとしますが、4ポイント差でポイントリーダーの座を明け渡すこととなりました。

 

 

第7戦 タイ大会 10月4~5日
 CHANG INTERNATIONAL CIRCUIT

タイヤ無交換作戦で13位から4位に浮上!!

観客数117,765名(4日42,597名、5日75,168名)
 

スーパーGTは例年、海外戦をマレーシアで戦ってきましたが、今年よりタイ国ブリーラム県に新設されたCHANG INTERNATIONAL CIRCUITに舞台を移して戦われました。
この第7戦からは、いままでのハンディキャップウエイトとは異なり、第7戦はシリーズ得点×1kgのハンディキャップウエイトとなり、第8戦はノーハンディキャップウエイト、すなわち開幕戦と同様、燃料流量リストリクター径の調整もなければ、錘を載せることもなくなるというルールに変わります。
しかし、37号車「KeePer TOM’S RC F」はそれでも58kg(50Kgの錘相当分の燃料流量リストリクター径の調整+8kgの錘)のハンディキャップウエイトを背負わなければならず、全車条件的には同じといえども苦しい戦いになることには変わりありません。
気温33℃、路面温度45℃という猛暑の中で予選が行われました。やはり予選は13番手とQ1を通過することはできません。
5日午後3時3分、気温32℃、路面温度46℃の中、66周のレースがスタートしました。新設サーキット特有の未熟性な路面は滑りやすくコースアウトするマシンも多く見受けられ、ブレーキング技が見所となります。その中にあって37号車「KeePer TOM’S RC F」は順位を維持しつつもタイヤを労りながら走行を続けます。速さが目立たない37号車「KeePer TOM’S RC F」は38周終了時点でドライバー交替のためのピットインを行います。何と驚くべきかな、チームは“タイヤ無交換作戦”で挑んでいたのです。第1スティントで速さが目立たなかったのはこの作戦を遂行するためにタイヤを労わっていたからなのです。交替してコースに復帰した伊藤大輔選手はここでトップに躍り出ます。
この暑いタイでタイヤ無交換ということは常識的には考えられない“ギャンブル”にも等しい作戦でもあります。
やはり、トップに躍り出はしましたが、暑さはタイヤに負担をかけていたのか順位を4番手まで下げざるを得ませんでした。しかし、見事そのままチェッカーを受けることができたのです。これで8ポイントを加算、シリーズ得点を66ポイントに伸ばし、シリーズランキング2位で最終大会に臨むこととなりました。

 

第8戦(最終戦) もてぎ大会 11月15~16日 
 ツインリンクもてぎ
最後まで諦めない…怒涛の追い上げでシリーズランキング2位

観客数47,500名(15日15,500名、16日32,000名)
 

優勝すればシリーズチャンピオンが獲れるという意気込みで臨んだ最終戦。この大会はハンディキャップウエイトがありません。開幕戦同様“ガチ”の勝負となります。
しかし、神は又しても37号車「KeePer TOM’S RC F」に試練を与えました。今シーズン何度目の試練であろうか。何と予選でブレーキトラブルが発生してしまい、痛恨のスピンを喫してしまったのです。Q2への進出は適わず予選13番手に沈んでしまいました。
しかし、ドライバーもチームも“チャンピオン獲得”という気概は誰も諦めていません。
16日午後1時7分、最終戦のスタートが切られました。37号車「KeePer TOM’S RC F」の気迫は走りに顕れ、20周目のピットインでは4位まで順位を上げているではありませんか。素早いピット作業で伊藤大輔選手は3位まで順位を上げてコースに復帰すると怒涛の追い上げを見せて2位でチェッカーを受けたのです。しかし、優勝することは適いませんでした。僅か3ポイント差の79ポイントでシリーズランキング2位となってしまいシリーズに幕を閉じることとなりました。

 

 

《2014年度の総括》

一言で2014年度を総括せよ、と言われれば「あまりにも早く勝ちすぎた」と言うことになるでしょう。『LEXUS RC Fデビューウイン』という快挙を成し遂げたものの、スーパーGT特有のハンディキャップウエイトの過酷さはシリーズ中盤から後半にかけて重く圧し掛かり、チームもドライバーをも苦しめることとなりました。
しかし、レースは勝負事である以上、「勝てるときに勝つ」というのが必須条件であり、全戦においてポイントを取りこぼすことなく積み重ねてきたことは大いに評価されるべきでしょう。
また、燃料流量リストリクター径が絞られた時のエンジン出力は、明らかにGT-R勢に劣っていたことを考えると、ハンディキャップウエイトへの今後の対策が必要と思われます。この対策こそ2015年度戴冠のための条件となるでしょう。

 

LEXUS TEAM KeePer TOM’S

 


 

RC Fの広告に「LEXUS TEAM KeePer TOM’S RC F」が掲載

#37「LEXUS TEAM KeePer TOM’S」は、その健闘をたたえられ、11月21日(金)の日経新聞にLEXUS RC Fの全面広告で紹介された。

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