ハンディウエイトに悩まされながらもポイントリーダーを守るRd.2 「FUJI GT 500KM RACE」

 

2015 SUPER GT 第2戦 「FUJI GT 500KM RACE」富士スピードウェイ

決勝:5月3日(日)コースコンディション:Dry

 
5月2日~3日、静岡県小山町の富士スピードウェイにおいて、スーパーGTシリーズ第2戦「FUJI GT 500KM RACE」が開催された。

 

《5/2 公式練習》

 

5月2日午前8時50分、春の温かい日差しが降り注ぎ、富士の霊峰が天高く聳える静岡県の小山町にスーパーGTマシンの吼声が轟き渡った。スーパーGT第2戦富士大会の公式練習が開始されたのである。

 

37号車KeePer TOM'S RC Fは開幕戦優勝のため、本大会ではGT500クラスでは最も重い40kgのハンディキャップウエイトを搭載しなければならない。まず、アンドレア・カルダレッリ選手がステアリングを握ってコースに繰り出す。しかし、思うようにはタイムは伸びていかない。ピットに戻ってはマシンのセッティングを変えてコースインすることを繰り返すが、やはりタイムは伸びていかない。カルダレッリ選手から平川亮選手にドライブを交代する。やはり開幕戦のようにはタイムが伸びていかない。エンジニアの小枝正樹は頭を抱える。ピット内にも緊張感が走る。ハンディキャップウエイトが思いのほか効いている。なす術がないのか。ハンディウエイトが効いてタイムが伸びないのは、このスーパーGTにおける独特な狙いでもある。同じマシンが勝ち続けないようにして、どのマシンにも勝利への機会を与えようとする狙いから発想されたレースである。ハンディキャップウエイトが効いた状態においてコース上で1秒縮めることは至難の業であるスーパーGTレースはGT500クラスだけでの競技とは違う。GT300クラスという、スピードが明らかに違うマシンとの混走でもある。そのGT300クラスの遅いマシンを交わしながらGT500クラス同士でも競わなければならない。GT300クラスを交わす時はどうしても遅くなる。俗に言う“ひっかかる”ことになるわけだからタイム的には1周にして3秒から5秒とロスしてしまう。本大会は500kmにも及ぶレースである。タイヤのライフや燃費を考えればタイヤ交換と給油のためのピットインは最低2回必要である。当然、その時はドライバーの規定周回数(一人のドライバーが三分の一以上を走行しなければならない)を鑑みて、ドライバー交代の有無も考慮されることとなる。ピットインしてドライバー交代とタイヤ交換、給油はメカニック達の努力でタイムを縮めることはできる。ここで1秒でも他のマシンより速く作業することはレース展開を左右する大事な場面でもある。当然ながら、マシンを速くするためのセッティングに集中すると同時に、ピットインをしてくる度に作業シミュレーションが繰り返された。

 

 

 

《5/2 予選》

 

スーパーGTの予選はノックアウト予選方式で行われる。つまり15分間の予選で計測されたタイムの上位8位までが次の最終予選に進出できるQ1と、決勝レースのスタート順番を決めるQ2に分けられる。Q2に進出できなかったマシンはQ1の順位で決勝のスタート順番となるため、まずQ1を通過することが何よりも重要である。

そして、Q1をドライブしたドライバーではなく、もう一人のドライバーがQ2を担当しなければならないという規則になっている。

 

14時35分。Q1はまずアンドレア・カルダレッリがステアリングを握りコースインした。しかしながらQ1通過の8番手すら奪うこともできず、下位に沈んだままの14番手で予選は終えてしまった。Q1での敗退である。

 

《5/3 決勝》


富士スピードウェイは薄い雲には覆われているものの雨が降るような気配は感じられない。14時15分、フォーメーションラップが開始される。スタートドライバーはアンドレア・カルダレッリ選手。500kmのレースである。とにかくミスなく走り切れば結果は付いてくる。ドライバーもさることながら、メカニックもミスは許されない状況でレースはスタートした。
まず2周目に1台を交わして13番手に浮上する。その後も地味ではあるが順位をひとつずつ上げていく。7周目に12番手へ、9周目に11番手へ、そして10周目にポイント獲得圏内の10番手へと順位を上げた11周目、1コーナーにオイルが撒かれたということで、セーフティカーが入り、各マシンは先導された形での周回が続く。このセーフティカーが導入されている間は他のマシンを追い抜くことは禁止されている。15周目にレースは再スタートが切られると、16周目には9番手、その次の17周目には8番手までへと快調に順位を上げていく。しかし、レースはまだ序盤である。
33周目で7番手まで順位を上げた頃から各マシン共に第1回目のピットインが始まった。37号車KeePer TOM’S RC Fは38周目、満を持してピットイン。アンドレア・カルダレッリ選手から平川亮選手にドライブを交替し、タイヤを替え、給油を済ませる。ピットストップタイムは約50秒でコースに復帰。ミスのない作業である。メカニック達にも安堵の表情が浮かぶ。しかし、もう1回ピットインは残されている。1回目のピットストップ成功を自信に、第2回目は更なるタイムを縮めるべく緊張と集中が必要とされる。慢心してはならない。
KeePer TOM’S RC F37号車は7番手の順位をキープしてコースに戻る。52周目に順位をひとつ上げて6番手となる。周回タイムはやはりウエイトが効いているのか伸びないが、他のマシンと比較して決して遅くはないタイムを刻んでいる。
レースを折り返す55周は過ぎた。6番手まで順位は上げてきたものの、5番手とのタイム差がなかなか縮まってはいかない。しかし、7番手のマシンとの差は徐々に開きつつある。ハンディキャップウエイトを搭載してのレースである。派手さは決してないが、淡々と走ることが今大会の使命である。とにかく1点でも多くのポイントを獲得することである。
レース終盤へと入る76周終了時点でKeePer TOM’S RC F37号車は2回目のピットインを敢行。燃料もチェッカーまで持てばよい。旧友は計算された通りを補給し、タイヤ交換、ドライバー交代をミスなく行い、約43秒ほどでコースに復帰させる。完璧である。ドライバーは平川亮選手からアンドレア・カルダレッリ選手に交代した。前マシンとの差が縮まらないのであれば、6位入賞を果たせばシリーズランキングトップは維持できる。ウエイトを積んでいないマシンと無理に戦い、トラブルやアクシデントに巻き込まれることなく走り切ることが何よりも大切であることを知っているカルダレッリ選手はGT300クラスのマシンを交わしながら、109周を走り切り6位でチェッカーを受けた。
KeePer TOM’S RC F37号車はシリーズポイントは25となり、2番手に5ポイントの差をつけたままランキングトップを維持した。
しかし、25ポイントということは第3戦のタイ大会では50kgのハンディキャップウエイトを搭載しなければならないことになる。暑いタイで50kgはマシンとタイヤに大きな負荷をかけることとなる。いかなる条件であろうが、KeePer TOM’S RC F37号車は自薦も戦い抜く。

 

 

 

 

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